2017.3.31
高齢猫の食事の与え方と注意点
近年、猫の寿命は大幅に伸び、人間同様「高齢化社会」となってきています。
高齢になると、猫にも老化に伴う様々な変化が起こります。
そこで、年齢やそれぞれの猫の身体の状態に合わせたケアが、必要不可欠となってきます。
もちろん食事に関しても同様で、食べやすいように工夫した高齢猫専用のメニューを与えるようにします。
猫の加齢に伴う変化と、食事の工夫
猫は、概ね5歳頃から犬歯、いわゆるキバがすり減り、丸くなり始めます。
更に高齢になると、歯周病や口内炎になりやすくなり、それが原因で歯が抜けてしまうこともあります。
歯が少なくなってくると、硬いフードや粒の大きなものは食べづらくなってきますので、細かくしたり、ふやかす、煮込むなどして柔らかくしてあげるなどの工夫をしましょう。
また高齢になると、若い頃と比べて運動量が減り、基礎代謝も減ってきます。
若い頃と同じカロリーを摂っていると、肥満の原因となります。
そのため、カロリー控えめで脂肪分が少なく、腎臓への負担も考慮してタンパク質も控えめにした「シニア用」のフードに切り替えることがおすすめです。
高齢になって食べる量が減ってきた場合は、食べやすいフードを工夫してあげることも大切です。
若い頃はドライフードだけを食べていても、高齢になったら柔らかいウェットフードも与えるようにすると、食べやすくて喜ぶ猫もいます。
1回の食事で食べられる量が減ってきた場合は、同じ量を3〜4回に分けてあげましょう。
体調がすぐれず食欲が落ちている場合も、ペースト状のフードなら食べられるかも知れませんので、かかりつけの獣医さんに相談の上、利用してみるのも良いでしょう。
持病のある高齢猫の場合
高齢猫には、かかりやすくなる病気もいくつかあります。
その中でも最も多いものの1つが、慢性腎不全です。
猫は他の動物と比べて腎臓の機能が衰えやすく、高齢になれば多かれ少なかれ腎機能に障害が出てくるとも言われています。
腎臓の機能が低下すると、本来は尿として排泄される老廃物が体内に残ってしまうわけですから、身体に悪影響を及ぼします。
しかも腎臓は、機能がかなり失われるまで症状が現れないため、注意が必要です。
そのため、若い頃から定期的な健康診断を受けさせ、なるべく早期の段階で発見できるようにしましょう。
腎機能の低下の進行を遅らせるためには、担当の獣医師と相談の上、腎機能に配慮した療法食を与え、更に状態に応じて内服薬や点滴などの治療を行っていきます。
高齢猫の健康な毎日には、若い頃からの飼い主の管理が大切です。
「まだ若いから大丈夫」と安心せず、定期的な健康管理を心がけ、大切な家族と少しでも長く一緒にいられるようにしていきたいものです。
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